し ろ う さ ぎ
……斎川君は……あたしを選んでくれたんだよね?
過去はどうであれ、今……あたしを選んでくれたなら信じても……いいんだよね?
そう、問うことも怖くて喉に張り付いたその言葉は出てこない。
彼女は一体……斎川君のなんなんだろう……。
「……とにかく早く帰りな?
おじさんも心配して……」
「それなら……!
夏稀君も一緒に帰ろう……?
一人はもう……嫌なの……」
「それは……出来ない」
「それなら葵も帰らない……!」
「あ、あのー……」
「……なんですか」