し ろ う さ ぎ
そのベンチに腰掛けると斎川君は缶のミルクティーを差し出してくれて。
開ければプシューと空気が抜けて何だか疲れも抜けていく感覚に包まれた。
斎川君はコーヒーを、あたしはミルクティーを。
だいぶ涼しくなった中庭で疲れを癒すように暫し無言で飲んでいた。
ミルクティー……好きなの覚えててくれたんだ。
ほのかに甘い味とそのことに頬が自然と緩んでいく。
実際、斎川君といるだけで疲れなんて取れそうな気もしちゃう。
「斎川君、打ち上げどうする?」
「どうしようかな。
迷ってるんだけどー」