し ろ う さ ぎ
人差し指で頬をかく素振りをする斎川君。
照れてる所見るの……初めてだな。
しかもそれがあたしのために、だなんて思うと嬉しくない訳がない。
「う、ううん……!
そんなことない!
だって、あたしもだし!」
「え?」
「あ……」
勢いでとんでもないこと言ってないか、あたし……
「同じだね、オレら」
「そ、そうだね……!」
でも斎川君も笑ってくれてるし、そこん所は気にしなくていいか!
「今すぐ信じてっていうのは難しいと思う。
でもオレはそれでも……笠井さんの隣にいて一緒に歩いていきたいって思うんだ」
「斎川君……っ」
「笠井さんは……それでもいいかな」
「もちろんだよ!」