し ろ う さ ぎ



「……あ、皆出てきたね」


「本当だ。
打ち上げの会場まで向かうのかな?」



その時、携帯が震えて見てみれば紗耶からのメッセージを受け取っていた。


えー、なになに。

イチャついてたら置いてく……って!


べ、べべべ別にイチャついては……!



「ん?
笠井さん、顔真っ赤だけど……」


「へ!?
そ、そそそんなことないんじゃないかなぁ……!
も、もう皆は打ち上げ会場に向かうって……!」




照れたことを隠すために勢いよく立ち上がったあたしを繋いだ手が物柔らかに引き留めた。




「それじゃ、もう少しだけ遅く行こう」


「えっ……」


「まだ……こうしてたい」


「……ふふ。
じゃあ、あと少しだけ……」

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