し ろ う さ ぎ
でも、斎川君はあたしと同じで一人じゃなかった。
「葵……ちゃん……」
「どうもー」
好戦的な口調と視線を向けられた。
「さ、斎川君こそ……」
あたしも確かに斎川君に見られたら充分誤解を招きそうな光景だけど……
斎川君は……どうして……葵ちゃんと……。
「別に千鶴さんには関係無いじゃないですか?
あぁ、そうでした。
千鶴さん、夏稀君の彼女でしたねー」
「……っ」
僅かに驚いた様子が翔太君からも伝わってきた。
……そりゃ、そうだよね。
あたしそんなこと……まだ一言も言ってなかったから……。