し ろ う さ ぎ

そうしている間に翔太君が先に口を開いてしまった。



「まっ、事情が事情だし会うのは今日が最初で最後だな。
それよりいいのかー?」


「……いいっ……て?」


「オレなんかじゃなくて彼氏さん追っ掛けなくて」


「…………いいよ」


「はは。
素直じゃねーのな千鶴って意外と」


「……っなぁ」




ムスーっとしていると、くしゃくしゃと少し乱暴に頭を撫でてきた。


妹にするみたいな、がさつだけどちゃんと思いやりも伝わってくる。



「話なら聞くけど?」


「ありがとう。
でも……あたし自身でもよく分かんなくて……」
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