し ろ う さ ぎ


「……あたし……最低だ……」


「そう思って生きてんのって千鶴だけじゃねーよ?
誰だって自分のことそう思う時もあるし」


「……ありがとう翔太君……」


「だから大事なのは千鶴がこれからどうしてくのか」


「そう……だよね……っ!」


「よし、いい返事!
……あっ。
千鶴……あれ見て夕焼け」



僅かに声を弾ませて言った翔太君の指差した方を見れば確かにそこには大きな夕焼けが。


反対側の空からは夜がだんだんと広がってきていた。



「お、本当だ。
……綺麗……だね」


「そうだなー。
オレ……この時間が一番好きなんだよ」


「そうなの?」
< 220 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop