し ろ う さ ぎ
やってきた運命の放課後。
チャイムと同時に教室からもクラスメートが次々流れ出ていく。
声援をくれた紗耶もあたしが落ち着いて話せるようにと今日は先に帰ると言って聞かなくて……。
紗耶なりの気遣いを受け取ることにした。
「……ふぅー……緊張するな……」
斎川君はまだ席にいる。
人も少なくなってきたし……今がチャンス。
「さ……斎川君あの……っ」
「……っ笠井さん」
まさか声を掛けられるとは思っていなかったのか、斎川君はビックリしたように目を少し丸くしていた。
「き、今日……色々と話したいことがあるんだけどー……」
「……うん。
あ……オレ今日、先生に呼ばれてて……。
少し遅くなっちゃうかも……」