し ろ う さ ぎ
同じ心の欠陥を持つ葵ちゃんこそ……斎川君の本当の理解者なのかな……。
そう思うと自信喪失……ってやつだ。
「あの日も二人でいたことは確かなんだ。
葵を……父親の元に帰らせるために送りに行こうって……。
でも、葵に途中で気付かれて拒まれちゃってさ……」
葵ちゃんは……斎川君が引っ越していなくなってから一人になった。
一人ぼっちになって……それでも目の前の現実は変わらない。
彼女にとって斎川君は家族より、大切な心の拠り所だったのかも知れない。
家族にしても血の繋がりより、心の繋がりこそ重要なんだろう。