し ろ う さ ぎ
同じ境遇の中にいた葵ちゃんの方が、斎川君の心を揺さぶるような言葉がかけられるのかも知れない。
家族のことで辛い思いをした時、葵ちゃんの言葉だからこそ勇気づけられることもあるかも知れない。
それなら……あたしは……
あたしにしか出来ないことを……してあげたい。
「違うってことは同じってことよりも……ずっといいものなのかもね」
「へっ……?」
「同じような人間だから必ず幸せになれる訳じゃない。
違うからこそ気付ける大事なこともあるんだよね」
「……斎川君っ」
「オレもね、笠井さんがそう思ってくれるように……笑顔にしてあげたいって思ってる。
出来るか……今はちょっと不安だけど」
「大丈夫!
なんか……そんな気がする!」
「……っはは。
笠井さんが言うならそうかもね」