し ろ う さ ぎ

もう、大丈夫…だよね?










“葵も恋人っていうよりも……なんていうかな……。
家族に近い存在……かな?”


最初は……ヤキモチを妬いた言葉だった。
葵ちゃんは斎川君にとってそんな特別な存在だったんだって……。



“笠井さんに会って分かった。
そもそも恋なんて頭でどうこう考えて答えなんか出ないって”


そんな言葉を言ってくれたのは斎川君が初めてだった。
好きな人からのその言葉が嬉しくて……その日一日胸が一杯だった。



“恥ずかしい話、自分でもビックリするぐらい笠井さんのこと好きなオレがいる。
気付いたら目で追ってたり、話せたことだけで嬉しかったり……”


その分、たまに失うことが怖くもなる。
こんなに斎川君のことが好きなのに、いつか別れがくるのかなって。

その時あたしは……斎川君を見送れるのかなって……。

別れをいつかいつかと考える自分が嫌になる。


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