し ろ う さ ぎ
“笠井さんの隣にいて一緒に歩いていきたいって思うんだ”
そんな思考に胸を痛めて下を向けば、きっと斎川君のこと見えなくなっちゃう。
だからどうか……そんな時は傍にいて欲しいのです。
振り返ってどうしたのって……声を掛けて、俯くあたしの頭を上げて欲しいのです。
“オレも、怖いくらい幸せだよ”
ねえ、斎川君……?
あたしも、だよ。
脆いこの幸せを……いつまでも二人で守っていけたら、それは…────────
「……もしもし、斎川君?」
「……笠井さん……あの……っ」
「ど、どうかした?」
月曜日……今日は、遠足だ。
待ちに待った、遠足だ。
斎川君と紗耶。
大好きな二人と遊園地を回れる、そんなウキウキとした気持ちを見透かされたように朝、斎川君から電話が。