し ろ う さ ぎ
「え……あ……葵ちゃん!」
「……もしかしたら千鶴さんには……出来るのかもしれませんね」
「出来るってどういう……って、あたしも時間ヤバい!!」
葵ちゃんの言葉は今のあたしには全て理解不能だった。
“全てを知った時”
それでは遅かったのに……。
「うーん……」
「なにーその能面みたいな顔。
存在感消す練習ー?」
「酷いな。
貶しが酷いわぁ!」
「ビックリしたー。
普通この距離で急に大声出すー?」
今朝の葵ちゃんの言葉の意味を……今までずっと考えてた。
いつの間にかお昼になっていて……。
でも、答えなんてこれっぽっちも出てきそうにない……。