し ろ う さ ぎ
あたし達がもし今後……家庭を持てたなら……
こんな感じなのかな?
そう聞いたら斎川君は重い女だって思うかな……。
でも、あたしは時々こうして一人で斎川君とのずっと先の未来を想像したりする。
「……って!
ご、ごめん……重いよね……ははは」
上手く斎川君の顔は見られない。
だから俯いて、必死に平気な振りをする。
ただ、あたしと斎川君も……いつか別れがくるんだよね……。
それはある日、突然足元を飲み込んだりもする。
「なーんで謝るの?
オレは嬉しいよ。
千鶴はそこまでオレとの真剣に考えてくれてるんだなーって思うから」
そんな見えない不安に襲われた時、斎川君の言葉にその気持ちは不思議と和らいでいく。
まるで魔法使いみたいに。