し ろ う さ ぎ
「次はオレが夏稀兄ちゃんを倒すんだー!」
「だからぁー!
お姉ちゃんも誘ってくれてもいいでしょー!」
「仕方無いなー、もう」
「今日だけだからねー」
「な、なんであたしが除け者ー!?」
「それじゃ四人で仲良く遊ぼっか」
賑やかな四つの声は終始、穏やかな空気に包まれていた…────────
*
─────────…平凡な幸せが壊れるのはきっとあっという間。
築いた時間の比にもならない早さで崩れていく。
人々はそう理解しつつも、必死に脆い幸せを守っている。
どうして?
そこまでして守る価値がある……?
そう、問い掛けたら答えなんて……心のどこからも湧いてはこなかった……
「……づ……っ!
……ちづ……!
おーい、ちづってば!!」
「うええ!?
ど、どしたの紗耶……そんな大声出して……」
「どうしたもこうしたもあるかぁ!
何回も呼んでるってのにぃー」
「……え……」
全然気付かなかったー……。
ちょっと考え事に意識を飛ばしていたらこれ。