し ろ う さ ぎ


「次はオレが夏稀兄ちゃんを倒すんだー!」


「だからぁー!
お姉ちゃんも誘ってくれてもいいでしょー!」


「仕方無いなー、もう」


「今日だけだからねー」


「な、なんであたしが除け者ー!?」


「それじゃ四人で仲良く遊ぼっか」





賑やかな四つの声は終始、穏やかな空気に包まれていた…────────









─────────…平凡な幸せが壊れるのはきっとあっという間。


築いた時間の比にもならない早さで崩れていく。


人々はそう理解しつつも、必死に脆い幸せを守っている。


どうして?
そこまでして守る価値がある……?


そう、問い掛けたら答えなんて……心のどこからも湧いてはこなかった……





「……づ……っ!
……ちづ……!
おーい、ちづってば!!」


「うええ!?
ど、どしたの紗耶……そんな大声出して……」


「どうしたもこうしたもあるかぁ!
何回も呼んでるってのにぃー」


「……え……」



全然気付かなかったー……。


ちょっと考え事に意識を飛ばしていたらこれ。

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