し ろ う さ ぎ
学校からの帰り道、いつもなら話し始めのタイミングが重なると笑ってた。
だけど今日は……違う。
聞かなきゃいけないこと、聞きたいことがあったから……。
聞こう。
先に斎川君の話を聞いて、それからあたしもちゃんと聞くんだ。
「さ……斎川君からどうぞ……?」
これから先も一緒にいたいから、知りたい。
もし今が駄目でもいつか……斎川君から話してくれる時がくることを信じて……。
「あのね……オレら……やっぱり別れよう」
「…………え?
ちょ……ごめん、何言って……」
「別れてほしいんだ」
しっかりと通った声は何も理解できていないあたしに容赦なく突き刺さる。
あんまりの衝撃にその場に立ち尽くすことだけ。
……待って。
何がどうなってそうなったの……?
あたしが……悪かった……?
どうして斎川君がそんなことを言い出すの……?