し ろ う さ ぎ


良美先生の目線の先には弱っている白いウサギ。

まだ小さいのに……。

色んな感情が込み上げて思わず眉根を寄せる。



「……あぁ、ごめんなさいね。
ちづちゃん、生き物苦手だったわよね」



先生は、知ってる。

あたしがなんで生き物を苦手になってしまったのか。



「……いえ、いいんです。
この子は……今も生きていようって頑張っているんですよね……」



前にもこんなことがあった。


……あたしが今の愛璃くらいだった頃……。

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