し ろ う さ ぎ

あの時もこうして弱っていた小さな白ウサギがいて……

産まれてから少しの間だったけど、すごく可愛がっていた分、辛かった。


別れは……いつも突然に……でも必ずやってくる。


あの時のことが辛くて未だにあたしは生き物を飼えないでいる。


家でも何度か生き物を飼おうと話は上がったけど……あたしが断固拒否した。


康汰や愛璃にあんな哀しい思いをさせたくない。


それなら知らないままの方がマシだ。



「ちづちゃん。
この世に生きとし生けるものは等しく死がやってくるわよね」


「……はい」

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