し ろ う さ ぎ

「それはとても哀しいことよね。
大切にしていた分、とても……ね。
でも、ちづちゃん。
こんな話があるの。
ハトとハヤブサのお話」


「どんな……お話なんですか?」


「ある日、山に住んでいた猟師が弱っているハトを助けてね。
そのハトは元気になって山に帰ったのだけどハヤブサに食べられてしまうの」


「……そんな……っ」


「でもね、このお話にはまだ続きがあるの」


「続き……?
それってどんな……」


「実はハトを狩ったハヤブサもハトと同じ時に別の猟師に助けられ元気になって山に帰った。
そしてお腹を空かせたハヤブサはそのハトを食べてしまったの」


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