し ろ う さ ぎ


渋る紗耶から半ば強引に斎川君の住所を聞き出した。




「康汰、愛璃!
今日は早いけどもう家に帰るよ!」




そして二人を急いで家まで連れて帰る。


二人はあたしのただならぬ雰囲気を敏感にキャッチしたのか、うんと言って素直についてきてくれた。




「遊びに行ってもいいけどこの近くまでだからね?
それ以上行く時はお母さんに言うこと。
分かった?」


「お姉ちゃん……これからどこか行くの?
そんな怖い顔して……」


「……こ、怖い顔……してた?」


「めっちゃな。
鬼みたい」


「誰が鬼よ、もう!」
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