し ろ う さ ぎ
恐らく……斎川君は止めようとしていた。
家の中のものがほとんど引っくり返されていて二人が揉み合ったような形跡もあった。
そんな分析をしつつ、引きずるようで申し訳なかったけど二人を外まで運び出し。
その後は、あっという間で……。
呼んでいた救急車の到着、二人は病院に搬送、駆け付けた警察からの事情聴取。
嫌な予感というものはほとんど当たっていた。
父親はあろうことか斎川君も巻き込んで自殺を図っていたらしい。
ガスも一昔前の石炭ガスを使うことで自殺は可能になるらしくて。
運良くあたしがここに来たから良かったけど……。
今日一日ずっとこのままだったら……そう思うだけで呼吸が止まりそうだった。
「……すぐに帰るって言ったんだけどね……」