し ろ う さ ぎ

あなたと生きていきたい








昨日のバタバタとした日から一転して翌朝。


朝日の差し込む真っ白な廊下を歩き、退院を控える斎川君がいる病室まであと少し。


そんな時……誰かのお見舞いに来たのか、女の人が前を歩いていた。


子供か旦那さんのお見舞いかな?


なんて大して気にも留めなかったけど……。



「……あ」



そう言えばこの先は斎川君のいる病室だけ……。

それも個室の…────────




「……ま、まさか、ね……?」




立ち止まって、考え込むように足元を見る。





“斎川君の母親は……小さい時に男と蒸発したらしい……って”



“母親はオレが小さい時に男といなくなったって”
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