し ろ う さ ぎ
「そんな……!」
「全てが終わったら話すだけ話すつもりでいました。
例え昔のように戻れなくても……。
でもまさか……ここまで思い詰めていたなんて……」
「……すみません!!」
あたしは……斎川君のことばっかりって……考え過ぎて……
見えていなかったもう一つの事実に気付けないまま……。
理不尽なのは……この家族の誰でもなかったというのに。
「……本当に何も知らないまま……勝手なことを言ってすみません……」
「い、いいんです……っ」
「会いましょう!」
「えっ……?」
「な、投げやりな言い方になっちゃうんですけど……
会ってから、どうにでもしていけばいいんです!
まずは……何かを変えないと何も始まりません……!」