し ろ う さ ぎ
それから手早く荷物を纏めた斎川君はお母さんと肩を並べて病室を出た。
全部がちゃんと……終わったら……
彼を抱き寄せてうんと優しい声でおかえりと……言ってあげたい。
昨日よりも今日。
今日よりも明日。
陳腐な台詞だけど斎川君のこと……好きになってるのかな。
傷付いたり、涙を流したり……それでも人を好きになっていく。
いつだって斎川君の隣で明るく希望の唄を口ずさみながら…────────