し ろ う さ ぎ
改めて辺りを見れば、彼のような制服を身に付けた高校生らしき人が沢山いた。
「……ん?
なんか……どっかで見たような顔……」
「え?」
なんですか、こわ……
こっちが全然覚えてないだけ……?
そもそも夏稀君以外、興味無かったしずっと……
「あぁぁ!
千鶴の彼氏くんと一緒にいた子!」
考え込んでいたかと思えば急に元気よく人差し指なんか指してくれちゃって。
確かに……言われてみれば……?
あの日、千鶴さんとバッタリ会って……その時こんな人隣にいたような……。
千鶴さんと同い年?
そうだとしたら年上か。
「そうですけど」
「愛想ねーのなぁー」
……失礼なこと。
ムスーっとした表情を隠さずに出していると彼は面白そうに顔を崩した。
「あっはは。
冗談だってのー」
……モテるんだろうな……。
なんというか……女子の勘ってやつだけど。
夏稀君とは真逆のタイプ……だけど爽やかで明るくて顔立ちも整ってる。
まあ夏稀君には負けるけどね。
それも別に本人に言わなくても良いことだから黙っておく。
「てかこんな時間に私服で何してんの?」