し ろ う さ ぎ
「……ふぅ」
課題あるなんて嘘なんだけどねぇ……。
集団っていうのがあんまり得意じゃなくて。
別にクラスメートの誰が嫌いとかじゃない。
ただ、さっきも言ったように大勢で集まるのが苦手でどうしても存在感を薄くしてしまう。
皆の聞き役に徹する役割になるし、そもそもそれならあたしじゃなくてもいいんじゃないかって。
そう考えるといてもいなくても一緒か、と思ってしまって結果、こうなった。
「……すごいなぁ、斎川君」
あたしはあんな集団になるとついつい大人しくしてなきゃと反射的に思ってしまう。
でも斎川君は違う。
ちゃんと皆の話も聞きつつ、自分も皆を楽しませる話が出来る。
人間は生まれた時は皆一緒なのに気付けば哀しいほどに差が生まれてる。