し ろ う さ ぎ
確かに人それぞれに個性があるとは言うけれど……。
あたしの個性って……なんだろ?
「……うぁー、やめよ。
そんなこと……分かんないし」
まあ、とにかく斎川君がクラスに上手く馴染めているようで良かった。
うん、それが一番大事だ。
斎川君達の集団を遠巻きに眺めてボーッとしている頭に鳴り響く予鈴。
SHRが始まる時間だ。
一斉に散り散りになっていくその集団。
その中から斎川君を見つけることは容易だった。
こちらへ歩いてくるのは彼だけだったから……。