し ろ う さ ぎ
そう思うのは少なからず斎川君を特別に想い始めてる……ってことなのかな……?
好きって断定出来るほど鮮明な想いなのかと聞かれたら分からないけど……。
「ねえねえ笠井さん見て」
「ん?
……っぶ」
一限目の授業が始まって少し経った頃、ふと斎川君は教科書に描いた先生の似顔絵を見せてきた。
不意打ち過ぎて吹いちゃったんだけど……!
せ、セーフ……?
っぽいね、良かった……。
絶妙に下手くそでニヤニヤしてしまうのが止まらない。
「斎川君って意外と絵下手なんだね」
「嘘。
オレはめっちゃ似てると思ったのに」
「え、ごめん……!
ネタなのかと……っ」
「本気で描きましたー」
「な、なんちゃって……っ?
や、う……上手いよ……!
いやー、び、ビックリしたよ」