し ろ う さ ぎ

「やっぱ昨日なんかあったんじ……」


「い、いやいや……っ!
なーんにも無いよ……!」


「ふぅーん?
その口調だと何か知ってそうだけどねー、千鶴さーん?」


「……ナ、ナニモナイデスヨ?」


「こるぁー!
知ってること教えなさいぃー!」




嘘はすぐに見抜かれたみたいで胸元を掴まれ、ぶんぶん振り回され。

危うく意識が飛びかけた挙げ句、結局全部話すことになってしまった……。




「……うーん。
断定は出来ないけど、一日でここまで皆の態度が変わるってことは……ね」


「……なんでそんなことするんだろ……」



誰かを傷付ける人間にはなりたくない。


小さい頃から言い聞かされたことはもちろんだけど、人なんて皆弱い所がある。

だからこそ支え合って生きていくんじゃないのかな……?


綺麗事だって一蹴りにされるのが怖くて誰にも言ったことがないけど……
その思いはあたしの中に真っ直ぐ突き抜けている。
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