し ろ う さ ぎ
その決め事だけは何がなんでも絶対曲げたくない。
そう思って、生きているつもりだ。
「……力のある人に同調する。
社会だけじゃなくて学校でも……そんなもんなのかもね」
呆れたように呟いた紗耶は何事も無かったように教室へ。
三年という月日を共にして紗耶のことを少しずつ知って……。
紗耶は今みたいにクラスのカーストに縛られるのをすごく嫌う。
誰かからの批判にも恐れを見せない自由でいて、とっても優しい人。
それが紗耶だ。
密かに紗耶には憧れる所ばかり。
「おはー、斎川君」
「お……おはよう、斎川君っ」
「……あ……おはよう」
斎川君はいつもみたいに笑って挨拶を返してくれた。
でも……クラスの雰囲気はそれを機に張り詰めたものに変わったのがすぐ分かった。
「ちょっとちょっとー、やめときなって二人とも」