し ろ う さ ぎ
息苦しいその空気感にたじろいでいるとクラスメートから待ったの声。
「なんで?」
そう言った紗耶の纏っている雰囲気もピリピリしていくのが感じ取れて、内心冷や汗をかく。
「斎川君と変に関わったら浜岡さんに目つけられるし……」
「そんなっ……」
「それか、なに?
目つけられて今後の学校生活台無しにしたいわけ?」
思わず零れたあたしの言葉に返事をしたのは別のクラスメート。
彼女もクラスでは中心的な生徒で唯ちゃんとも仲良さそうにしている所をいつも見る。
そんな彼女は言い返せない性分のあたしを知っていてか威圧的な態度だ。
その策略通り、あたしは口ごもってしまうけど……。
でも……それ以上に困っているのは斎川君自身なんだろう……。
本人の前でこんな話……あんまりじゃない。