し ろ う さ ぎ


紗耶がいると斎川君とは今まで通り話せるのに……
一対一になった途端……あたしは斎川君を見て見ぬ振りをしてしまうようになった。


最低だ。

こんな風にいたくないのに……どうしても周りの目ばかり気にして……斎川君を避けていた。




「お、おはよう……!
斎川君……っ」


「おはよう」




そんなあたしに気付いているのか、そうでないのか分からないけど斎川君はいつものように話してくれる。


それが……すごく申し訳無くて。

斎川君はあの日から……話し掛けてくれることは無くなった。

こっちから話し掛ければ答えてくれるけど……。


……どうしよう、何か話したいのに……
何を話せばいいのかな……


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