し ろ う さ ぎ


「あ、あの斎川君っ……」


「どしたの?」


「今日のさ……課題ってどこだったっけ……っ?」


「三章のー……あ、ここだね」


「……あ、りがと……!」


「どういたしまして」




昨日は、どんなテレビ見た?

昨日はね、こんなことがあったんだ。

似顔絵もね、沢山増えたんだよ。


どれも本当に言いたいことなのに言えない……。

また意味も無い悪戯な会話ばっかり……。


そして突き刺さるのはクラス中の視線。

斎川君がここに来た時の好意的な視線じゃない……あたしを哀れむような視線。


“あの子も被害者になるのね”って……




「……自意識過剰……かな……」
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