し ろ う さ ぎ



こんな風に落胆する斎川君は初めて見た。

いつも笑っている所しか見てなかったから……。

……なんとか、したい。


でも、あたしは……斎川君をどう思うのかすら胸を張って言えなかった。

“好きだよ”

……うん、好きだ。


斎川君のこと、好きなんだ……。

でもそれは言葉に変わることなく、ずんと胸の中に落とし込まれるだけ。


……もっと強くなれたら……。

紗耶や斎川君のように、自分の思うことを素直にさらけ出せたら……。


もしも、もしもってことばかり考えてる。
< 98 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop