いつかのあたしへ
あたしはもうしゃべれなかった。
あのときの出来事を
思い出すのがいやだった。
だから、メガネの前で
制服を脱いだ。
*修*
俺は驚いたというより、
とても愛おしい気持ちになった。
楓ちゃんの肌には
とても深い切り傷があった。
*楓*
あたしは、
メガネの目を見て
まっすぐに言った。
「秀は責任を感じてるだけなの、
あたしはまだスキだけど、
むこうはもうそうじゃない。
こんな傷で秀をつなぎとめてる。
そんなの、もう、
恋人じゃないでしょ。」