白い悪魔
第一章:
目の前で踊るその人を、私は、美しく綺麗だと思った。
何より、目を奪われた。
子供のように無邪気に、楽しく笑って。夢中になる白いその人は厭味もなく本当に、きれいだった。
不覚にも羨ましい、と、そう感じた私はだけど、そう思ってしまったことにゾッとする。
(ちがう、まだ、私は)
だけど、いや、だけど、でも、違う。そうじゃなくて、でもーー。あれは……、
しろが、あかに塗れる。
しろがわらった。黒が絶命して、しろにはけれど、不思議と悲しそうに見えた。
そして、
ーーふいにその目が、此方を向いた。
その、瞬間。
世界が黒く染まった、気がした。