羽瀬くんは私のことがキライ。
#1
予兆
生まれつきの茶髪を少し巻いて、
メイクを少し濃いめにして、
スカートを折りまくる。
「あれ、私ちょっと痩せたんじゃん?」
校則なんて余裕でオーバーしてる丈から見える足は、心なしか細くなってる気がする。
夏休みのバイト詰め込んだおかげかも。
「って、やっば!遅刻すんじゃん!」
新学期だからっていつもより準備に時間かけすぎたんだ。
「階段くらい静かに降りなさい!」とか言うお母さんの声は無視して勢いのまま飛び出した。