羽瀬くんは私のことがキライ。



夏の日差しが真っ盛りの中30分走りきる。

学校が近くなると息を整えて、

身だしなみを確認して、

「ふーっ…」と深呼吸をする。

それから何事もなかったように学校へ入る。



それが大体の朝の流れだ。




「あっ、琴乃ちょーどいいトコいた!」


学校に入ろうとする一歩手前引きずられたと思えば、相変わらず美白なままの真希と愛華がいた。


…ほんと、夏休み何やってたんだってくらい1ミリも焼けてない。


「昇降口んトコまで、あたしと愛華を隠してって!」

「ただ私達の前歩くだけでいいからさ!ね?」


お願い、と顔の前で両手を合わされなくても、私が引き受けないはずないってのに。

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