羽瀬くんは私のことがキライ。
なんでそんなに楽しそうに笑っているのかがわからない。
私がバカで鈍感で何も気付いてないとでも思ってるのかな。
それとも、私が気付いてるとわかっててわざと…?
野田の説教は大抵流せる。怒ってる自分に浸りきってるから。
私がここから逃げてもバレないだろうけど、それじゃ後が面倒だからほんとどうしようもない。
こんなバカみたいなことグルグル頭の中で考え続けることとか、ほんと、特に。
教室まで聞こえてるんじゃないかってくらいの声を浴びること20分、もうそろそろかなって思った頃、野田は私の髪の毛に愚痴を言ってきた。
「それいい加減黒に戻しなさい!」
「地毛です」
野田に捕まる度にこれを言われるからうんざりする。
申請書だって入学した時ちゃんと出してるのに確認くらいしろっての。
「地毛って言えば何でも済むと思うな!」
「いやだから本当に地毛…」
「大体そんな格好してる時点で信用なんかせんからな!」
あーもう、今日は一段と長い!!