羽瀬くんは私のことがキライ。


やっと解放されると思ったのに、何時間目まで怒られるんだろ。



はぁ〜とため息をついて視線を落とす。


アスファルトが黒い。


アリが歩いてる。


ラムネが落ちてきた。


…ん?落ちてきた?



パッと顔を上げて、ラムネが飛んできた方向を見るけれど誰もいなかった。



なんだ、私の幻覚?


いや、でも確かに今……



「わっ…」


突然何かを被せられて、後ろに誰かの体温を感じる。




「黙って」



私の驚いた声にも気づかずき入り浸っている野田の目の前で、男の子が私を拉致った。

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