羽瀬くんは私のことがキライ。


持ち主が見つけてくれるかもって思ってこれを着てるのもあるけど、


自分的にこのちょっと薄めのピンク色を気に入ってしまった。


…それと、すごくいい匂い。




「て、私変態か…」




桃子ちゃんは今でも後ろでニヤニヤしてるだろうし。


なんかちょっと着てるのが恥ずかしくなってくる。



ゴソッとパーカーのポケットに手を突っ込むと、何かがたくさん入っていた。





「…ラムネ?」




三つのラムネが半透明の包紙に包まれて、それが両ポケットから大量に出てきた。



あの時のラムネ、このパーカーの人のだったんだ…



私がラムネを見て驚いてるのを、桃子ちゃんが後ろで更にニヤニヤして見てる気がして、


このパーカーの持ち主を知りたくないような気がしてきた。




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