白馬に乗った上司様!?
「あの、とりあえず、ありがとう。で、中村さんの話なんだけどさ、本人の為にも会社の為にもちゃんと仕事するようになって欲しいんだ。で、彼女の性格とか考慮したら総務に移動した方が仕事するかなって」

「総務って‥‥あ、受付」

「うん。彼女、目立つ事好きだし容姿だって華やかで美人だしさ。」

「‥‥そうですね。確かに中村さんは美人だし愛嬌もあると思います」

「だろ?だからさ、その方が本人にとっても幸せかなって。俺も仕事中にベタベタ寄って来られるのはイヤだから、それがなくなって嬉しいし」


本人と会社の事を考えての移動。課長自身が好きじゃない部員を移動させたいって訳じゃないのが分かって安心したのは本心だけど、中村さんの魅力を認めて素直に褒めているのを聞くのは気持ちいいものじゃない。
しかも仕事中にベタベタがイヤって、仕事中じゃなきゃ嬉しいの!?って勘ぐりたくなる。

自分の複雑な心境に自己嫌悪だ。

「それはいいと思います」

かき集めた平常心で同意すると、課長は安心したように頷いた。
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