白馬に乗った上司様!?
素直に認めると菊里課長は笑みを深めて軽く頷いた。

「杉山さんはプロジェクトに参加する事で急に仕事量が増えてしまうだろ?でもだからって自分のこれまでの担当を疎かにする事は出来ない。しかも今回の参加はプロジェクトの為ってより杉山さんのスキルアップの為に本人の希望を通した形だからね。他の営業の負担を増やす事もしにくい」

「え?本人の希望、ですか?」

驚いて隣の緑ちゃんを見ると、イタズラのバレた子供のように困った顔だ。

「すいません。二年目なのに生意気だとは思ったんですが、どうしても参加したかったんです。菊里課長や先輩方の仕事ぶりを近くで見て、勉強したくて。で、少し前に課長にご相談して……」

「そっか。そうだったんだ、偉いね」

勉強熱心、仕事熱心な緑ちゃんを褒めたら、今度は照れたのを隠せずに困った顔になった。ホント、可愛い。

「本当に仲良しの先輩後輩なんだね。見てて微笑ましくなるよ」

お互い顔を見合わせてふふっと笑ったところで、菊里課長の楽しそうな声が入ってきた。
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