特進科女子と普通科男子
私は、ぐっと拳を握りしめて立ち上がろうとした。
「笑った顔が一番好き。あとは、怖くて堪らないって時も、必死に抗おうとしているところが素敵だなって。見た目も、性格も、仕草も、多分全部好きだよ。これからもきっと、好きになる」
彼は、そう言ってにっこりと微笑んだ。
人は「嫌い」と言われた相手に、これほど穏やかに笑えるものだろうか。
「ーーっていうのは、後付けだけどね」
「……え?」
「ちゃんとした理由なんてないよ、多分。気付いたら好きだった」
向かい側に座る彼の瞳が、ベッドで眠る彼女に優しく注がれる。
その声に嘘はなくて。
「……そう」
優しいのかもしれない。冷たいのかもしれない。
私には、彼がどんな人かなんてまだ分からないけど。
彼の言葉に納得させられたら、認めるしかないんだ。
(……好き)
ただ、それだけなんだ。
「笑った顔が一番好き。あとは、怖くて堪らないって時も、必死に抗おうとしているところが素敵だなって。見た目も、性格も、仕草も、多分全部好きだよ。これからもきっと、好きになる」
彼は、そう言ってにっこりと微笑んだ。
人は「嫌い」と言われた相手に、これほど穏やかに笑えるものだろうか。
「ーーっていうのは、後付けだけどね」
「……え?」
「ちゃんとした理由なんてないよ、多分。気付いたら好きだった」
向かい側に座る彼の瞳が、ベッドで眠る彼女に優しく注がれる。
その声に嘘はなくて。
「……そう」
優しいのかもしれない。冷たいのかもしれない。
私には、彼がどんな人かなんてまだ分からないけど。
彼の言葉に納得させられたら、認めるしかないんだ。
(……好き)
ただ、それだけなんだ。