銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
6、無鉄砲な彼女 ー ジェイクside
「ジェイ!」
俺の愛称を口にする彼女を見て、思わずニヤリとする。
執務室での仕事を終えた俺は、帽子を被って簡素な服を身にまとい、宮殿を抜け出そうと部屋を出た。
すると、メイドの服を着たエミリーが周囲の様子を窺いながら下の階へ降りていって、俺は声もかけず彼女の跡をつけた。
辿り着いた場所は、昔俺がセシルに匿ってもらったレノックス公爵邸跡。
今はそこは父の計らいで公園になっている。
父はレノックス公爵の死にとても胸を痛めていた。
この場所に、エミリーが訪れる。
こんな偶然そうはないと思うのだが、まあ、公園だし、たまたま来たと言われればそれまでだ。
だが、ようやく彼女がセシルという決定的な証拠をつかんだ。
男爵令嬢のエミリーに俺の名を教えてはいないし、俺が王太子とは知らない。
例え王太子と知っていたとしても、『ジェイ』とは呼ばないはず。
俺の愛称を口にする彼女を見て、思わずニヤリとする。
執務室での仕事を終えた俺は、帽子を被って簡素な服を身にまとい、宮殿を抜け出そうと部屋を出た。
すると、メイドの服を着たエミリーが周囲の様子を窺いながら下の階へ降りていって、俺は声もかけず彼女の跡をつけた。
辿り着いた場所は、昔俺がセシルに匿ってもらったレノックス公爵邸跡。
今はそこは父の計らいで公園になっている。
父はレノックス公爵の死にとても胸を痛めていた。
この場所に、エミリーが訪れる。
こんな偶然そうはないと思うのだが、まあ、公園だし、たまたま来たと言われればそれまでだ。
だが、ようやく彼女がセシルという決定的な証拠をつかんだ。
男爵令嬢のエミリーに俺の名を教えてはいないし、俺が王太子とは知らない。
例え王太子と知っていたとしても、『ジェイ』とは呼ばないはず。