銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
ゴードンにそう伝えながら、セシルの腕を確認する。
矢で破れた袖は血で赤く染まっていた。
それを見て自分を責めずにはいられない。
俺を庇って彼女が傷を負った。
「こ、こんなの大丈夫」
彼女は強がって傷を隠そうとするが、「ダメだ。化膿したら大変なことになる」と厳しく言って懐から布を取り出して止血した。
自分が怪我をするのは慣れている。
だが、彼女となると動揺せずにはいられなかった。
いつもの自分ならもっと優しい言い方も出来たと思う。
だが、そんな余裕、今の俺にはなかった。
早く宮殿に戻って手当てをしなければ……。
「ありがとう。もう大丈夫だから」
俺から離れ、またひとりで戻ろうとする彼女の身体を掴んで肩に担ぎ上げる。
王子としての振る舞いなんて忘れた。
「ちょ……ちょっと、下ろして」
矢で破れた袖は血で赤く染まっていた。
それを見て自分を責めずにはいられない。
俺を庇って彼女が傷を負った。
「こ、こんなの大丈夫」
彼女は強がって傷を隠そうとするが、「ダメだ。化膿したら大変なことになる」と厳しく言って懐から布を取り出して止血した。
自分が怪我をするのは慣れている。
だが、彼女となると動揺せずにはいられなかった。
いつもの自分ならもっと優しい言い方も出来たと思う。
だが、そんな余裕、今の俺にはなかった。
早く宮殿に戻って手当てをしなければ……。
「ありがとう。もう大丈夫だから」
俺から離れ、またひとりで戻ろうとする彼女の身体を掴んで肩に担ぎ上げる。
王子としての振る舞いなんて忘れた。
「ちょ……ちょっと、下ろして」