銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
セシルがギョッとしてバタバタ暴れるが、強引に馬に乗せ、俺も騎乗した。

そんな俺たちをゴードン達が呆気に取られた様子で眺めている。

多分、俺が令嬢を雑に扱っているのに驚いているのだろう。

だが、この令嬢はどんなに礼儀正しく接しても無鉄砲な真似ばかりするのだ。

今頭にあるのは一刻も早く宮殿で彼女を手当てすること。

それが俺の最優先事項だ。

「大人しくしないと落馬するぞ」

強情な彼女にそんな脅し文句を冷ややかに告げると、馬を走らせる。

だが、突然雨に降られ、宮殿に着いた時には服はずぶ濡れで、彼女の身体は冷たくなってた。

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