銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
彼を警戒して、胸が大きく上下する。

「そんなに怖がらなくていい。今は抱かない。身体だけ繋がるのは簡単だが……」

ジェイは急に言葉を切り、私の唇を指でなぞった。

「俺はお前のことをもっと知りたい」

この深海の青の瞳。

これ以上見つめられたら危険だ。

ジェイの手を振り払い、顔を背ける。

「私は……知りたくないわ。自分の部屋に戻ります。
私が元公爵令嬢ってこと誰にも言わないで!」

そう言い捨てて部屋を出ようとしたら、身体がフラついた。

すかさずジェイに抱き止められる。

「薬が効いてきたな。今夜もここで休め」

薬……?あの煎じ薬のせいなの?

「……大丈夫。ひとり……で……戻る」

自分で立とうとするが、身体がいうことを聞かない。

目も霞んできた。

「無茶で無鉄砲で強情。色気で迫る女は何人もいたが、お前のような女は……初めてだ」

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