銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
サーロンはそれを信じて、俺と父を生かしていた。
お陰で俺達がこうして王位を奪い返せた訳だが、次にまたあいつが反逆する時は、迷わず俺達の命を奪うだろう。
辛酸をなめたのだ。
もう言い伝えなど無視するだろう。
俺の部屋に戻ると、ギリアンが緊張した面持ちで口を開く。
「相変わらず不気味な人ですね」
「そうだな。あの目は何か企んでる。いつでも動かせるよう兵の準備を。食糧も準備しておけ」
ふたりに命じると、彼らは「御意」と短く返事をして部屋を退出した。
ふたりがいなくなると、部屋の奥に飾られている自分の肖像画に目をやる。
それは、俺が塔に閉じ込められる前に描かれたもので、髪の色は金髪のままだ。
燃やしてしまおうかとも思ったが、自分への戒めのために飾っている。
いつ足元を掬われるかわからない。
お陰で俺達がこうして王位を奪い返せた訳だが、次にまたあいつが反逆する時は、迷わず俺達の命を奪うだろう。
辛酸をなめたのだ。
もう言い伝えなど無視するだろう。
俺の部屋に戻ると、ギリアンが緊張した面持ちで口を開く。
「相変わらず不気味な人ですね」
「そうだな。あの目は何か企んでる。いつでも動かせるよう兵の準備を。食糧も準備しておけ」
ふたりに命じると、彼らは「御意」と短く返事をして部屋を退出した。
ふたりがいなくなると、部屋の奥に飾られている自分の肖像画に目をやる。
それは、俺が塔に閉じ込められる前に描かれたもので、髪の色は金髪のままだ。
燃やしてしまおうかとも思ったが、自分への戒めのために飾っている。
いつ足元を掬われるかわからない。