銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「本当は俺を助けてくれた礼にネックレスにしてお前に贈ろうと思っていたんだが……石細工師に作り変えてもらった。今、俺のはめている指輪と対になっているんだ」

ジェイは青い石の指輪を手にすると、私の手にはめる。

「まるで……あなたの瞳みたい」

はめられた指輪をまじまじと眺めてそんな感想をもらせば、ジェイは穏やかな目で微笑んだ。

「俺のはまるでお前の瞳のようだ。これをつけているとお前が一緒にいる気がする。だが、それだけじゃ足りない」

私にはめた指輪に恭しく口付け、顔を上げて私を見つめた。

「俺の妃になって欲しい」

その瞳も、その声も、心から懇願していた。

「私が……?」

私が王太子妃に⁉︎

信じられない思いで目を見張る。

「お前しか考えられないんだ」

熱いその眼差しから目を逸らせなかった。

「私には……両親が亡くなってもう何の後ろ盾もない」
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